栗谷 僕はワークセンターの清掃班に中途採用で入職しました。入職前の実習が墓地清掃だったんですけど、前々日ぐらいに高熱が出てしまって。当日は熱が下がったので行きましたがずっと寝込んでいたので、病み上がりで墓地清掃というのは逆に清々しかった記憶がありますね(笑)
今井 それって本当は行ったらあかんやつじゃないですか?(笑)
栗谷 当日の朝まで悩んでたんですけどね。まぁこんな話を参考にさつきを受けた時のエピソードを聞かせて下さい。
今井 僕は大学の専攻が法学だったんです。
栗谷 これまた福祉と全く関係の無い所ですね。そこから福祉の仕事を始めたきっかけは?
今井 もともと会計事務所で働いていたんですが、地元にある福祉施設からお金のやりとりを委託されて、僕はその施設で仕事の調整業務もしていたんですが、なんとなくその、利用者さんたちがどんな働き方をしてるんやろうかっていう事が知りたくて、すごく興味が湧いたんです。それで、ちょうどその頃に結婚をきっかけに吹田に引っ越す事になって、転職するのに検索をかけたらさつきがトップに来たので受けてみました。さつきに入職してからは、前の福祉施設で出来なかったことにしっかり向き合えるようになって、より面白味を感じるようになりましたね。
栗谷 その福祉施設での経験と、吹田への引っ越しが大きなきっかけになったんですね。
今井 さつきは作業所・ショートステイ・グループホーム・ヘルパーもあって多様な働き方が出来るので、生涯ずっと働けそうやなって思っています。
栗谷 多様な働き方ができる。それはさつきで働く上で確かに魅力ですよね。
長坂 僕は大学では、保健体育の教員免許を取って卒業後は不登校の子どもの支援などをしていました。その後さつきを見つけて。福祉がどんな仕事かわからん状態やったんですけど、障害者に全く関わりがなかったわけでもなくて。不登校の支援していた時にダウン症の子がいて、サッカーの授業では一緒にコートに入って支援をしてたんです。その子が卒業する時に手紙をくれたんですが「サッカー一緒にやってくれてありがとう。本気でやったら強いボール蹴れるのに僕に合わせてくれてありがとう。」って書いてあって、それにすごく感動して。そんな経験もあって障害福祉の分野も面白いんかなぁって。
栗谷 それは心温まるエピソードですね。でも、福祉施設っていうてもいっぱいあるじゃないですか。なぜさつきを選んだんですか?
長坂 とりあえずはお給料の面ですね~。正直言って、他と比べてしっかりしていますよね。
栗谷 働くんですからそこは大事。ちなみに入職前と入職後でのギャップはありましたか?
長坂 あはは、ありましたね。利用者さんにしたら、学校を卒業して作業所に来て働くというのは大きな環境の変化なわけじゃないですか。そういった面で大変やろうなって想像はしてましたけど、想像の域を超えることもありましたよね。
今井 僕もありますね。利用者さんが何を考えているのか分からんって感じる事もあります。でもさつきは研修にもたくさん参加させてくれるので、学ぶ機会は多いですね。その点は本当にいいと思います。仕事の中でわからんこと、ギャップを感じる事も、自分なりに答えを見つけられる力になりますね。
長坂 さすが・・・今井さんは勉強熱心!!
相原 私は大学で保育を学んでいたんですけど、実習で幼稚園・保育園・障害分野の3か所をまわるんですね。障害分野の実習の際、「あいほうぷ吹田」が実家から近かったのでたまたま選びました。その時は利用者さんや職員同士の関係がすごくいい所だなと感じました。あと、お昼ご飯がおいしかったんです!!
栗谷 お昼ご飯(笑)??
相原 給食がすごくおいしいですよね!?やっぱり毎日食べる物なので、ここの給食を食べたいな~って。その後、職員さんからバイトもできるよー、って紹介してもらって。実際にバイトしているうちに、採用試験を受けようって決めました!
栗谷 確かにいま働いている先輩の中にも、実習がきっかけの人も多いですね。ちなみに障害者の方の支援のイメージってどんな感じでした?
今井 最初にさつきを調べた時に『さつき福祉会の理念』として、どんな重いに障害があっても受け入れるって書いてて「ほんまかいな?」って思いました。でもそのうちに利用者さんの姿を知って。この理念は本物やなって。特にあいほうぷ吹田という施設は、身体・知的・重複障害など、障害の重い人が主に利用しているので、時に医療的ケアが必要になります。この点は衝撃的でした。
栗谷 それは、もっと具体的にはどんな思いがあったんですか?
今井 知識もないのに医療的ケアとかでけへんって。僕、結構どんくさいというか、やること一つやったら一つ忘れてしまう、みたいなことがたまにあるんですけど、命と向き合って仕事することについて、衝撃を受けました。
栗谷 確かに命と向き合うことの重要性は感じますね。
今井 はい。それで、非常勤として第二さつき障害者作業所で経験を積んでみようと思いました。第二さつきでは、自分の想いを上手に伝えることが難しい利用者さんが一生懸命伝えようとする姿に向き合っている職員を見て、問題行動も含め、そういった支援について興味が湧いたというのも事実で。
栗谷 障害の重い人の支援や、問題行動のある人の支援や、その人に寄り添う職員を見て逆に興味が湧いたと。
今井 僕はそれを見て、どんなに重い障害があっても受け入れるっていう言葉は嘘じゃなかったと実感したんですね。「利用者さんは、自分の中の気持ちの葛藤を伝えたいんやけど、そういう伝え方しかできないんやで」って先輩職員から教えてもらって、そういう視点を持っているから受け入れができるんやなって。ただ単純に、制止して怪我しないようにね、って言うような施設やったらすぐ辞めていたと思います。
栗谷 なるほど。ちなみに相原さんはバイトから正規職員になって感じたギャップってありますか?
相原 バイトで入っていたのはあいほうぷだったので、正規職員としてワークセンターくすの木に勤めだしてみると、時間の進む速度に大きな違いを感じました。あいほうぷは比較的ゆっくり進むんですが、ワークセンターくすの木は仕事の支援が中心なので1日があっという間に過ぎるというか。
栗谷 ちなみに、いま何か困っている事はありますか?
相原 ちょうどいまうちの班長が永年勤続のリフレッシュ休暇中で、私が班長代理として日々業務をまわしているんですが、ラッキーなことに思っていたほど混乱もなく班長不在を乗り切っています!他の班から応援に入ってもらったり、職員さん同士の連携の強さをすごく感じています。
栗谷 みんな、配属先も業務内容もそれぞれ違うわけですけど、職場の人間関係とかどうですか?
長坂 みんな仲が良くて楽しいですよ。僕の班は職員が3人で他に比べると少ないんですけど、それ故に連携が取れるところもあって。休みの日にも遊びに行ったりします。仲の良い職員さんが淡路島に別荘を持ってるんですけど、別荘と聞くと響きは良いけど、めっちゃボロボロなんですよ。それをみんなできれいにして泊まれるようにする計画が進行中です!あと、さつきにはシスター制度といって、直近の先輩が相談役として新人を担当するという制度があるので、悩んだ時や時間が空いた時には担当の先輩に話を聞いてもらったり一緒にご飯に行ったりしてリフレッシュできますね。
相原 私もたまにバーベキューに誘ってもらったりします。同期の仲間に飲み会に誘ってもらったり、そういうのはすごい嬉しかったりしますね。
今井 ふりーばーどは正規職員が8名いるんですが、非正規、アルバイトも合わせると23名の集団なんです。とにかく毎日が慌ただしい!飲み会とかは少ないほうかな。僕は第二さつき配属時に仲良かった人と飲み会をする事が多いですね。
栗谷 さつきは同期とか職場を越えたつながりも多いですよね。
今井 事業所によっていろいろなエピソードがあるので、交流が楽しいし勉強にもなりますね。
栗谷 僕は元同僚と連絡を取ってご飯食べに行ったりもしますよ。あと、最近ゲームにはまってて仕事場の人と一緒にオンラインでやってるっていう(笑)
栗谷 皆さんは休日はどんな風に過ごしてますか?
長坂 僕は友達と一緒にソフトボールをやったり。あと競馬が好きなので、競馬好きな利用者さんと情報交換したり。めっちゃ穴馬の情報教えてもらったりしてて、その利用者さんが言うてくれた時は当たるんですよ(笑)
栗谷 リフレッシュできている感じですね。自分の時間もしっかりあって。
今井 僕は、娘と生まれたばかりの息子がいるので、休日は娘と一緒に出掛けたりしています。疲れるんですけど、いい疲れ方です。仕事にも通じる部分がありますね。駄々こねてひっくり返ってるの見て、何が嫌やったんかなって振り返ったり、子どもの姿で発達年齢に沿った特性に気付けたり。仕事のおかげで子どもとの向き合い方に余裕ができるというか。
栗谷 育児が仕事にも活かされていると。その逆もあるわけですね。子育てと仕事の両立という面ではどうですか?
今井 年間のまとめの時期は大変でしたね。ふりーばーどは若い利用者さんが多いので、どんどん新しい力を身に付けたり、変化していくんですね。それで書き直しが必要になった書類があったんですが、保育園のお迎えがあって書き終わらなくて。忙しい時期は大変ですよね。(苦笑)
相原 私はゲームや漫画を読んだり、あとは服を買いに行ったりですかね。それと今月から一人暮らしを始めたんですが、家の小物を買いにホームセンター通いが増えました。さつきは家賃補助がいただけるので一人暮らしがしやすいです。前は自転車で40分かけて通っていたんですが、家賃補助のおかげで10分で来られるようになりました。
今井 うちの妻は公務員なんですけど、さつきの家賃補助は公務員より良かったです。さつきスゲー!って(笑)あとは男性の育児参加がしやすい環境がさつき福祉会にはあると思います。一般企業の会社員だと奥さんに任せがちな子供の急な通院とか、有給振替で対応したり。保育園へお迎えに行っている男性職員も多いですよ。
栗谷 僕は今年に入ってPS4を買ったので、最近はもっぱらゲームですね。あと仲間内でさつき福祉会非公式登山部とかもやってて、山登りに行ったりしてます。
長坂 そうですね。まずは来てもらって利用者さんと関わったら楽しさを感じてもらえるんちゃうかなって。文章だけではわからない魅力が伝わると思うんで、ぜひ一緒に働きたいですね。
相原 私はもうすぐ働き始めて1年なんですけど、今ようやく利用者さんたちと距離が近くなったなって実感します。去年のはじめの頃をふり返る事が多いんですけど、1年ってすごいですね。最初はどう向き合えばいいのか、何を話していいのか、何を伝えようとしているのか分からないことだらけで、距離感や関わり方にすっごい悩んでいたんです。でもいつの間にか話しかけてもらえるようになって、1年で関係が出来ていくんだなと実感しています。働き出して1年経ったときに、ぜひ自分の1年をふり返ってみてほしいです。最初の1年すごいですっ!
今井 本当に、まずは1回来てほしいですね。場所によって雰囲気は違いますが、同い年の利用者さんもいて、同じ目線で向き合う事がすごく楽しいですね。同じ目線になれるからこそ困っている部分や支えが欲しいところに気付ける自分がいるし、そういう所が見えるようになると、この仕事が面白くなってくるんじゃないかなって思います。そういう人と人とのつながりが思い出になる職場なので、はじめは興味本位でいいのでぜひ見に来てください。
栗谷 今、障害のある人が昔に比べて外へ出て街で見かける事も増えて、関わる機会も増えていると思うんです。障害者の人との向き合い方がわからないよって人もいてると思うんですけど、みなさんが話していたようにぜひ一度見に来ていただいたらいいなって。はじめは話してはる事が分からん時も多いんですけど、そこを超えると本当におもしろい仕事やと思うんです。困った時も周りの先輩方がしっかり教えてくれるので、安心して来てもらえたらなって思います。